下呂温泉の静かな食堂「むとう」でのんびりランチ

町へ下りていく道すがら、足湯がいくつか目に入った。まるで登山でもしたかのように歩き回ったせいか、だんだん足が痛くなってきたところだったので、ちょうどいい場所に足湯があった。
ここ下呂の町には、誰でも利用できる足湯がある。各旅館が店の前に小さなスペースを設けていたり、道の真ん中にあったりする。おそらく地域全体で、地元の人や観光客のために一定数の足湯を無料で開放しようと決めたのだろうが、とても魅力的な空間だ。タオルは備え付けられていないので持ち歩く必要があるけれど、誰でも使えるので、カフェに立ち寄るような軽い気持ちで足湯を楽しめる。
こうして静かな町を温かい足湯に浸かりながら眺めていると、何もかも忘れて無心になれる。


寒いからか、みんなそれぞれの旅館の温泉に入っているからかは分からないが、ほとんどの足湯に人がいない。道も閑散としていて足湯にも人がいないところを見ると、間違いなくオフシーズンなのだろう。そのせいか、開いているお店もあまり見当たらない。足湯を終えてお昼を食べようと思ったのだが、ランチタイムをとうに過ぎているうえに営業しているお店が少ないため、少し焦り始めた。そこで仕方なく、美味しそうで、あれこれ悩む暇もなく開いていたお店にすぐ飛び込んだ。
お店の名前は「むとう」。



入ってみると、本当に小さなお店だ。しかも店主は腰の曲がったおばあちゃんとおじいちゃん。世界中どこへ行っても、こういうスタイルのお店は、ものすごい名店か、二口食べて箸を置く羽目になるハズレの店のどちらかだ。少し緊張しながらメニューを選ぶ!

5分ほど悩んだ末、私はカツ丼、キムシェフは温かいおそばを注文。

最近テレビに出ているシェフたちのように、猛烈な勢いで切ったり炒めたりして、注文から5分でサッ!と出てくるようなお店では決してない。厨房を任されているおばあちゃんが何をしているのか気になるほど静かに料理をしていて、「あ、やっと出来た」と思ったら隣のテーブルに運ばれていく。それくらい長い時間をかけて調理しているのに、不思議とソウルや名古屋にいる時のように待ち時間が気にならない。時間が止まったような下呂の魔法だと思うが、ここでは不思議と待っている時間が惜しくないのだ。


全体的に味付けはちょうどいいが、日本特有のあっさりした味だ。ただ、カツ丼の場合はタレがとてもしょっぱい。おそらくタレは手作りではなく、市販のものを使っているようだ。かけられた量の半分以上を取り除いて食べたらちょうどよかった。おそばの方は、キムシェフが日本に来て一番美味しく食べたといい、言葉さえ通じれば作り方を教えてもらいたいと言うほどだ。私よりも他人が作った料理に対しては厳しい人なのに、本当に美味しかったようだ。
このお店は、ホテルのように華やかで美味しい料理を求めて行くというより、昔ながらの雰囲気とそれに合った素朴な(でも量はものすごく多い)料理を味わうために来る場所だ。一言で表現するなら「家庭料理」だ。



飛び込みで入ったのでかなり心配したが、むしろ素晴らしいお店を見つけた気がする。下呂でランチを食べるなら、ここ以上の場所はないと思う。観光地なので夜に食べるような重い料理ばかりだったり、カフェやサンドイッチを売るお店ばかりだったりするが、こうしてお昼に食べるのにぴったりな軽い食事に加えて、おばあちゃんとおじいちゃんが与えてくれる日本の温かさを感じられる場所は「むとう」しかない。個人的に強くおすすめしたい。そしてメニューはそば類をおすすめする。

下呂を有名な町にしてくれた林羅山。一体どれほどすごい人なのかと思っていたが、Wikipediaを見てみたら本当にすごい人だった。徳川家の儒官として抜擢され、林家は代々徳川家の先生を務めたそうだ。Wikipediaの説明だけでは足りないのでもう少し調べてみないといけないが、韓国で言えば代々王の師匠だったということだ。どれほど賢く、また子供の教育までしっかりしていればこんなことができるのか不思議だ。こんな人が天下の名泉だと言ったのだから、有名になるのも当然だ…