ソウル・延南洞の超人気中華!イ・ヨンボクシェフの「木蘭」訪問記
姉があの超予約困難な「木蘭(モクラン)」の予約に成功した。これは家の慶事を無理やりにでも作って絶対に行かなければならない。数日前に姉と大喧嘩したばかりだったが、木蘭のためなら両手を挙げて謝ろうと思った。そんな期待を胸いっぱいに抱き、家族全員で延南洞(ヨンナムドン:ソウルの人気エリア)へと車を走らせた。

駐車場が大変かと思ったが、完全予約制なうえに駐車スペースも十分にあり、全く問題なかった。さらに駐車係のおじさんもいるので、初心者でも安心だ。
予約時間に入店して席に案内され、何を食べようかとメニューを開く。姉がまず、トンポーロー(豚の角煮)とメンボシャ(エビパン)を事前注文しておいてくれた。トンポーローは調理に時間がかかるため、予約時に注文しておかないと食べられない。また、メンボシャもあまりに有名なため、事前注文必須らしい。木蘭のトンポーローとメンボシャは超看板メニューなので、絶対に頼むべき一品だ。
トンポーローを含めて何を食べようか迷ったが、せっかく苦労して来たのだから色々食べてみようということで、コースを注文することにした。我が家の胃袋のサイズならAかBコースにするべきだが、普段なかなか食べられないものを味わいたくて、思い切ってEコースを注文した。


最初の料理はトンポーロー。配膳してくれたのは、イ・ヨンボクシェフの息子さんだと言われているシェフだ(と、テレビ好きのおばさまたちがあちこちで証言してくれた)。
トンポーローは運ばれてきた瞬間から醤油の香りが鼻をくすぐる。どれだけ美味しいのか、匂いを嗅いだだけで唾液腺が崩壊しそうだ。一つ箸でつまんでお皿に移し、そっと噛んでみると、これはもう肉じゃない。他のお店でもトンポーローを食べたことはあるが、ここのように柔らかいものは見たことがない。最近、少食で有名なタレントのパク・ソヒョンが一口を10分以上噛んでいるのを見たが、このトンポーローなら彼女でも1分以内に飲み込めるだろう。味や食感についてもっと色々語りたいが、この後に続く料理が多すぎるのでここまでにしよう。少し残念なのは、トンポーローは度数の高い白酒(パイチュウ)にすごく合いそうなのに、一番最初に出てきてしまったことだ(今日はそもそもお酒を飲んでいないが)。


トンポーローが半分ほどなくなった頃にメンボシャが出てきた。以前、瑞草(ソチョ)のほうで食べたメンボシャは油の匂いがきつくてガッカリしたのだが、やはり木蘭のメンボシャは格が違う。外側のサクサク感と、中のしっとりとしたカニ身が完璧だ。野球を見ながらメンボシャをつまみにビールを飲めたら、最高に完璧な味がするだろう。


ここからいよいよEコースが始まる。すでにトンポーローとメンボシャが出てきているので、胃を休めるための前菜であるカニ身のスープを3番目に食べる意味があるのかは分からないが、味はとても良い。モグモグと食べているとあっという間になくなってしまう。おすすめするなら、まずカニ身のスープが出てくるまで、トンポーローとメンボシャを少し我慢して待ってみることだ。

次は四品冷菜。個人的に冷菜はあまり好きではないので、この部分はスキップ。

名前だけ聞くとものすごい料理に思える全家福(チョンガボク:海鮮と野菜の炒め物)が次に出てきた。全家福には我が家が好きなエビやキノコが入っているので、みんなよく食べた。ここまでの料理が少しこってりしていて、お酒なしで食べていると油っぽさが少し重く感じられていた。全家福は前の料理よりも油っぽさが少なく、ついつい箸が進む。全家福は料理長が持つ最高の食材で作られるということで名前からして有名だが、木蘭の全家福は油が見えるのに味は少し軽めで、スナック感覚で頻繁に手を出したくなる味だと思う。

ここで本当に油っぽさを中和してくれる中エビの揚げ物(チリソース)が出てきた。お腹がはち切れそうで、そろそろ箸を置き始めていた我が家の家族も、大きくて一口食べるとすぐになくなってしまうこのエビはとてもよく食べた。チリ味だったので、ここでようやく口の中のこってり感を抑えてくれた。


今日はあまり食べられなかったが、ビールのおつまみとして1位に輝く宮保鶏丁(ゴンバオジーディン:鶏肉とカシューナッツの炒め物)だ。これは普通のビアホールで出しても、そのお店の看板メニューになりそうだ。甘辛い味にカシューナッツと鶏肉の食感がたまらない。材料を見ただけでも絶対に美味しくないわけがない料理だ。甘みがあるから後半に出てきたのだと思うが、とにかくビールが恋しくなる。お酒なしでこの料理を食べるのは本当に辛い。

ついに締めの鶏絲麺(ギスミョン:鶏だし細麺)、ちゃんぽん、ジャージャー麺だ。どんな味か気になって一つずつ注文してみたが、鶏絲麺が一番美味しかった。卵スープのようで味が優しいので、それまでに食べた香りの強い料理たちを綺麗に締めくくってくれる。次に来てまた3つの中から1つ選べと言われたら、間違いなく鶏絲麺を注文すると思う。



予約が星を摘むように難しいだけあって、料理は本当に美味しかった。面白かったのは、各テーブルに座っているおばさまたちが、通り過ぎる店員が誰なのかヒソヒソと噂話をしたり、料理を食べながら「これなら私でも作れそう」と言ったりして、みんなが「K-おばちゃん」っぷりを発揮している姿だった。
おばさまたちがあの激戦の予約を勝ち抜いて来て、美味しそうに食べているのを見ると、本物の名店はやはり名店なのだなと思う。みんな単なる食事というより、旅行先に来たかのようにあちこちで写真を撮っていて、目と口でお店を丸ごと楽しんでいるようだった。
今回は私が予約したわけではないので、どうすれば予約に成功するのかは分からない。運が全てだという話を聞いただけだ。次は自分で予約して、レビューを書けることを願っている。